先ほど映画「犬と猫と人間と」を紹介する記事を書きました。
こうした記事を書くと、「犬や猫は死んで当然、何が悪い」「殺してしまえ」といったメールやTwitter・SNSのコメントをたくさんいただきます。さきほどの記事をアップしてから、すでに数十件のご意見をいただいています。
悲しいな、と思います。こうした意見を読むと、心底傷つきます。また、私のことだけではなく、書いている方が結果的には自分自身のことを傷つけているのではないかと、心配にもなります。ただ、本気でそう思っているのであればそれはそれで仕方がないと思います。
でも、私は、命を大切にするということは、動物に対してだけではなく、人間に対しても、自然環境に対しても、真剣に接するということにつながると信じています。
人間に限らず、あらゆる動植物は互いに支え合っています。わたしたちは、命で命を支え合って生きています。たとえベジタリアンであっても、かならず何らかの命を消費しなければ生きていくことはできません。
自分が、他の命に支えられている、そして、自分も誰かの命を支えている。このことを真摯に受け止めれば、自分の命も、他の命も、簡単に消費する、という発想にはならないと思います。
また、犬猫の殺傷処分を行わないという世界的流れを、欧米迎合と考えている意見を見受けます。しかし、それは事実ではありません。むしろ、どちらかというと、ヒンズーや仏教の思想が世界に出て行き、アジアに逆輸入されているというのが実態です。
責任を持てないのであれば飼わない。アレルギーなどで、どうしても飼えなくなったら「殺そう」「捨てよう」ではなく「引き取り手を探そう」と考える。どうしても探せない場合は、シェルターや保護団体に保護を依頼する。
「客引きのために子犬・子猫を展示し、大きくなったら殺す」というペットショップの客引き方法を禁止し、本気で飼いたいと思った人は、ブリーダーに直接申し込み、ブリーダーは申し込みがあった頭数だけ繁殖させる。(ブリーディングが免許制という国もあります。)
15年~20年間一緒に生活するという覚悟をして、本気で命を引き受けるのであれば、ブリーダーに申し込んで譲り受けるための半年間程度、待つことができるのではないでしょうか?
待っている半年間で、部屋を整えたり、生活時間を小動物の面倒を見られるように修正していったり、ということもできます。病気や怪我・食べてはいけ
ないものが何であるのかを勉強することもできます。何よりも、その場の勢いではなく、何回も熟考したうえで家族を迎えることになるので、ぬいぐるみ感覚で
家族に迎えるというリスクが減ると思います。
命と向きあう。
命を大切にする。
あらゆる自然、動植物の中に神々しさを見いだし、自然のサイクルを大切にする。
地産地消を重視し、自然と共存する。
これは、日本の伝統的な価値観だったのではないでしょうか。
日本人は、何を食べ、何を耕してきたのでしょうか?
今の、命を軽視した商業主義が、本当に日本の伝統文化なのか、命を重視するということが欧米礼賛なのか、日本の歴史をしっかりと見つめて欲しいと思います