転職活動

35歳を超えると普通の人材紹介会社経由の転職はリスクが高い

40歳を目前にして行う転職は年収130万円未満の扶養の範囲で働くという仕事か、年収800万円以上の専門性を要求される仕事に大別されます。当たり前のことなんですが、この年齢だと、求人案件は激減します。

ただ、私のようにキャリアが一貫していて、専門性がはっきりしていて、専門の資格を有しているとういう場合、全く紹介案件がないということはありませんでした。ですので、自分なりに一貫性を説明できるキャリアを持っている場合は、何とか面接くらいはできるのかな、というのが実感です。

ただ、本来であれば経営企画や経理部門出身の若手管理職を異動させるべき案件をわざわざ外から採用しようというわけですから、何らかの事情があるはずです。業務品質が組織のパワーバランスや将来の資本構成などに影響されるのですが、俗に「ヘッドハンター」や「人材紹介会社」と言われる方では案件の裏の事情をほとんど理解できていないことが多く、会ってみないと求人をかけている事情が分かりませんでした。

結局、監査関連でお会いして話を進めたのは同業者や所属している団体の紹介による案件が大半でした。

人材紹介会社経由でお会いした会社は、先日の記事に書いた「監査報告書を偽造してくれる内部監査責任者を求人中」という会社さんほど極端な会社は少ないですが、

  • 経営陣の倫理観が著しく低いので採用面接は監査役・監査委員会が主導で行っている会社
  • 内部監査部門が子会社として独立していて、その子会社の管理を営業部隊が行っている会社(この体制では営業部隊に対する独立した監査なんて絶対に不可能ですから、まともな監査人は行かないですね)
  • 拠点が世界中に分散していて、月に数日しか日本にはいられなくなる可能性が高い会社
  • コンプライアンス違反をしたため経営が行き詰まったので監査を強化しようとしているのだけれど莫大な賠償金と追徴課税を払ったためにキャッシュがないので、基本給を低くして自社株を付与するといっている会社(株価があがるとメリットがある人が客観的な監査ができるわけがないでしょうに・・・・・・)

という感じで、明らかに「監査人としてまともな仕事はできそうにない」という求人が大半でした。(もちろん、中には求人理由が明確で倫理的な問題はないという案件もあるにはありましたが、きわめて少数派でした。)

一定の年齢を超えると、求人案件自体も少なくはなるのですが、それよりも専門性が深くなりすぎて、紹介会社のコンサルタントが職務内容を理解することができなくなってくるため、リスクが高い案件が相当な割合でまぎれこんでいるのだということを知りました。

これじゃあ、ある年齢を超えてからの転職が失敗に終わりがちなのも当然だなあ、リスクが高いんだなあ、と実感しました。

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倫理観と成長のスピード

現在、無職です。せっかくの無職の期間なので、組織に所属していると書きにくいこと(=転職活動)を書こうと思います。

このブログの最初の記事でも書いたとおり、今回の転職活動では「給料を下げること」が1つの目的でした。近頃、サブプライムの関係で外資系金融社員の生活が報道されることもあるので管理職の平均年収が1000万円を超える組織の倫理観というのは、だいたい想像が付くかと思います。世間では、外資系金融ばかりがたたかれていますが、私が知る限りでは、外資系金融には限らず、平均年収が一定のレベルを超えた組織は、どこもああいうものだと思います。

このように減給を目的としていたので、希望とは異なっていたのですが、ある製造販売企業の内部監査責任者という「世間相場よりも妙に給与水準が高い」案件をご紹介いただきました。紹介した方は「1年以上、内部監査責任者の求人をしているそうなのですが、未だに良いご縁がないため給与水準を上げている」と説明していました。

面接が始まって10分で、なぜ「世間相場よりも妙に給与水準が高い」のかがすぐに分かりました。有り体に言えば「まともにリスク分析をしたら危ないと言わざるを得ない案件を大丈夫だと、監査報告書に書いて会計士に対しても大丈夫だと言い切ってくれる内部監査責任者」を捜していたわけです。

内部監査というのは、独立性と客観性を要求されます。ところが、現在の内部監査責任者は情報システム部門長を兼務しています。「情報システムに対してはどうやって監査をしているのですか?」と訊ねると「内部監査の独立性というのは雇用されている以上は限界があるのだから、独立性を求めるのはそもそも間違い」という持論を展開し始めました。

新しい内部監査責任者を採用した後も、内部監査部門は情報システム部や人事総務部と同じ管理部門の中に位置づけられ、この執行役員が内部監査責任者の上司になるというのです。

こちらの会社では、上場時には会計士が監査役を務め、その後もこの会計士が内部監査部門の立ち上げを支援しました。ところが、ある時期に急にこの会計士が退任しています。これじゃあ、まともな会計士は辞めるだろうなあ、と思います。また、監査の独立性と客観性を真剣に考えている内部監査経験が豊富な人間も断るだろうなあ、と思いました。

リスクをどんどん取るかわりに高リターンを求める、というのは経営姿勢としては有りだと思います。でも、それはあくまでも「リスクがある」ということを株主(や関係者)に告知している場合にだけ許されることだと思います。この会社のように内部監査人に嘘を書かせてリスク情報を非開示にするような姿勢は許されることではないと思っています。

こちら、とっても急成長してきた会社さんなんですよね。倫理観と成長のスピードって、短期スパンだと反比例してしまうのかなあ、と感じてしまいました。

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