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海の家事件:全てのサラリーマン&ウーマンに覚えていて欲しいこと

もう1か月ほど前のことになります。この1か月ほど、上場後初の決算やら何やらでバタバタバタバタバタバタしていまして、記事にしそびれました。

リスクマネジメント関連の会合で自己紹介の際に、氏名、所属組織名以外に
「リスクマネジメント関連業務と言える業務に初めて従事したのはいつ頃か?」
「その業務は具体的にはどんな仕事だったか」
を説明して欲しい、と言われました。ですので、

1992年にシステムリスク関連の仕事をはじめ、1997年からシステム以外のリスクマネジメントの仕事に従事した。具体的には、海の家事件*の後始末として、ある組織で反社会勢力との関係断絶プログラムを作って教育するというプロジェクトだった、と説明をしました。

※海の家事件
東芝(総務部長渉外担当部長逮捕)、三菱電機(総務部参事兼総務課長逮捕)、三菱地所(総務部副長,総務部上席参事逮捕)、日立製作所(総務部部長代理)が、総会屋に対して「海の家使用料」として現金を渡していたことにより、総会屋だけではなく社員も逮捕された平成9年の事件。

で、驚いたのが、何と10人中4人が、あの、ビジネスパーソンを震撼させた(大袈裟?)海の家事件を知らなかった(or忘れていた)のです。

私自身は、事件後に、繰り返し何人もの方から「業務だと信じてやってきたことが原因で、同僚が社屋内で手錠をかけられて連行されていくのを目撃した精神的ショック」を聞かされました。

このプロジェクトで見た何人もの方の哀しみと会社に対する怒り、不信を通して、たとえ上司の命令だとしても、絶対に、コンプライアンス違反をしてはいけない、コンプライアンス違反をすることで、自分だけではなく、同僚も、家族も全員が不幸になる、という強い確信をもちました。忘れることができない、衝撃でした。

しかし、リスクマネジメント業務に従事している人間であっても、海の家事件のことを知る人が少ないという現実を見ると、世間的にはすでに忘れられた事件だと言ってもよいでしょう。ネットで「海の家事件」を検索してみると、あきれるほどに情報が少なく、どういう事件であったのかを知りたい人は「企業不祥事事件」などの専門書にあたらなければいけません(この本は専門書とは言ってもかなり気楽に読める本です)。

どれほど大きな事件・事故であっても、時々は振り返らなければ、人は忘れていきます。

だからこそ、ISO(国際規格)では「事件・事故からの学習」を必須事項に定めています。

これは、組織だけに言えることではありません。社会全体として、大きな事件は振り返り、二度と同じことを起こしてはいけない、という戒めにしなければいけないと思います。

日本を代表する日立、三菱、東芝が相次いで起こした海の家事件。この3グループの広告を一切受けていないTV番組や雑誌広告は、ほとんどないでしょう。当然、一般マス・メディアは、この事件を振り返ることなどできないのでしょう。

しかし、私自身は、会社という組織で働くサラリーパーソン全員が不正に対して毅然とNO!を言うためにも、海の家事件の教訓を、忘れずに語り続けていきたいと思います。

その他参考図書:「ウサギはなぜ嘘を許せないのか?」こちらもお勧めです。

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