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不正をしている会社で働きながら不正防止のコンサルティングをするということ

以前は、仕事と家庭を何とか両立しようと努力をし続け、地域社会での責任や地球市民としての役割もまっとうしようとするすばらしい上司や同僚もたくさんいました。しかし、産業構造が大きく変わり、コンサルや投資銀行が得る報酬があまりにも莫大になるにつれて、、こうした人間としての品性や品格を感じることができるコンサルタントや機関投資家、PEと出会う機会が激減していきました。

また、会話が全く面白くなくなってきました。社会構造に関しても、文学や絵画、音楽に関しても話をすることはできる。知識はある。でもその知識は本から得たものであって、自分自身が芸術に触れて何かを感じたわけでもなければ、身を持って社会構造の変化を体験してきたわけでもない、という人たちが増え始めました。

身をもって体験して獲得した知識と、書籍や映像から獲得した知識の重みの差を理解せず、複数の書籍から総合して推察した論理をあたかも事実であるかのように語るコンサルタントが増え、実際にコンサルティングの対象である製品やサービスを使い込まない人たちが主流になっていきました。

大量の知識はある、この知識をもとにフレームワークを作ることもできる。会話は成り立つし、キャッチボールとしてぽんぽんと刺激的な答えが返っては来ます。でも、地に足が着いていないような、なんだか分からないフワフワ感を感じるようになったのです。

そしてお客様に対して言っていることと正反対の行動をとるコンサルタントが目につきはじめました。

そして、とても残念なことに、お客様に対して内部統制をしっかりと構築して会計不正が起こらないような仕組みを作りましょう、というコンサルティングをしているコンサルタントや会計士が、「率先して」自社の会計不正に平気で手を貸す姿を何回も目撃するようになりました。

会計不正に加担したことが原因で以前の勤務先が消滅したにも関わらず、次の就職先でも上司からの不正への協力要請に対して進んで協力をしているコンサルタントまで出現しました。あれだけ痛い思いをしておいて、自分も同僚も自分の部下も路頭に迷わせることになる危険性が高いということを十分に理解していながら、それでも同じことを繰り返す。

自分が平気で会計不正に加担しながら、なぜ統制の重要性を説くことができるのでしょうか?

私は、こうした「専門知識は豊富だけれど、その専門知識を自分自身の行動に全く反映させていない」人たちが周囲に出現し、しかもお客様に対しては堂々と内部統制の重要性を説明しているという事実を「仕方がないこと」であると受け入れることができませんでした。

私は、お客様に対して助言することは、そのまますべて、自分自身でも守りたい。自分自身に後ろ暗いところがあれば、堂々と自信をもってお客様に助言をすることはできません。

私がもし、戦略策定やITシステムの導入支援をしていたのなら、もしかしたらまだコンサルタントをしていたかもしれません。しかし、私の専門はマネジメントシステムという企業の内部統制の構築業務です。お客様に対して統制がきいた組織作りをするように助言する以上、自社はそれ以上の組織でなければいけないと考えています。

「うちの会社は大丈夫」

そう言い切れる監査法人やコンサルティングファームはどれくらいあるでしょうか?

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