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本当のヒーロー

テレビを見ていたら、アメリカの人気ドラマ「24」主演のキーファーサザーランドが「自分をはじめ、近頃のハリウッド俳優たちの出演料は高額すぎる。 本当のヒーローは、教師や消防士、警察官であって、自分たちのように実際の世界で何も生み出さない人間たちではない。こうした人たちが正当な評価(おそら く報酬、という意味)を受けるべきだ。」という発言をしていました。

スポーツ選手や俳優が与える夢や希望を軽視する必要はないとは思います。実際の世界で何も生み出していない、ということはないと思います。でも、やはり、私自身もキーファーサザーランドと同じように、昨今のセレブリティやいわゆる事業再生屋さん達が高給を得るという社会の仕組みには強烈な違和感を感 じます。特に、私自身がプロフェッショナルとして心から尊敬している一人である「ある学校の先生」が「生徒たちに捧げている愛情と時間の長さ」と「収入」を考 えると、正直なところやるせない思いがします。

長期的に本当に企業価値を高めるかどうかというゴーイングコンサーンの視点からではなく、短期中期スパンでの株価向上を目指した資本政策を行い、そ の利ざやで軽井沢に別荘を建て、ドンペリを好きなだけ飲む人達。飲食と移動交通費を顧客にチャージし、数千万円の年収を株式と車と建物に投資する生活。丸 の内で打ち合わせをしていた時に「ラーメンを食べたい」と言って、新幹線で新横浜のラーメン博物館に食べに行った人もいれば、それを聞いた別の人が翌週に 「ラーメン食べに喜多方に行ってきた」と言う世界。

企業のターンアラウンド(事業再生)や口銭利ざや商売が天職だ、と本気で思っているのなら、なぜそこまでの贅沢が必要なのか、なぜそんなに自分の身の回りに取り巻きを作りたがるのか、何が彼らをそこまで駆り立てるのか、、、、、、

彼らの多くが収入の多寡ではなく自分という人間に対する肯定感が高いのだとしたら、なぜ「同じ価値観で仕事をしろ」「不正に目をつぶれ」「違法じゃないんだいから、倫理的に問題があっても何が問題があるんだ」という無言・有言のプレッシャーさえ与えるのでしょうか。

収入を上げること自体は間違った行為ではないと思います。しかし、私にとっての英雄は、教師が天職だと言い切る学校の先生や、駅のホームで目が不自由な人に肩を貸して一緒に歩いている人たちです。子供としっかりと向き合い、話し合いたいと願い、家族との時間を最優先にするお母さんやお父さんたちです。こうした英雄達が、英雄としての性質を維持しながら収入をアップさせることができるのだとしたら、収入を上げるための努力を否定する気はありません。

しかし、現実はどうでしょうか?

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