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知的生産に特化するか装置産業化するか、スタンスを明確にしよう

5月20日に「シグマクシス」というコンサルティングファームができました。

元PwCCの倉重氏が社長に就任するとのことです。

コンサルティングファームには2種類あって、少数精鋭で純粋に知的生産をする集団と、誰かが作った知的フレームワークをなぞることで知的生産を装置として「実施する」ことに重きをおいている集団です。

前者の企業規模は1つの国内ではせいぜい200人以下、後者は最低でも300人以上が必要です。

コンサルタントと一言で言っても、前者でコンサルタントを目指すのか、後者でコンサルタントを目指すのかで、求められる資質も性格もまったく異なります。入社してから、どの程度勉強したり訓練を受けなければいけないのかも、まったく異なります。

どちらが優れているとか劣っているということではなく、ビジネスモデルが違い、志向性が違うのです。

倉重氏は私がこの記事を書いた10年前に、装置産業化することができずに苦しみ続けている多くのコンサルティングファームを尻目に、PwCCでコンサルの装置化を成功させ、企業規模を10倍にした立役者です。

なので、コンサルティングファームとは言いながらも、超エリート集団というよりも、一部の超エリート集団と95%の装置産業という組み合わせの組織になるのかな、と想像しています。発表されている規模を見ても、最終的には2000人を目指すとのことなので、少数精鋭のコンサルティングではなく、装置産業系だと考えられます。

コンサルティングファームを志望する人達は、自分がどちらに行きたいのかをしっかりと考え、適したビジネスモデルの組織に入る必要があります。

また、コンサルティングファームの経営者は、自分の会社がどちらを目指すのかをしっかりと考え、自社のビジネスモデルに適した人材教育・訓練を行わなければいけません。

しかし、今年の1月に書いたとおり「コンサル業界で空恐ろしい事態が発生しています」という状況が発生しています。

本来コンサルティングファームというのは、事業会社では不可能なほど人材育成に時間をお金を投入し、短期集中で人材育成をすることで、高品質のサービスを提供するというビジネスモデルです。当然、そこに集うコンサルタント達も、肉体的・精神的にギリギリなまでに徹底して自分のビジネススキルを高めることで、事業会社では得ることができない高給を得るわけです。

これは、200人以下の少数精鋭で知的生産に携わるというビジネスモデルのコンサルティングファームを意味しています。装置産業系ではありません。装置産業系を目指すのであれば、人材教育に心血を注ぐよりも、資本政策を見直し、急激に企業規模を拡大することのほうが大切です。

徹底したコンサルタント訓練を貫くことも、急激な企業規模拡大を成し遂げることも、どちらも容易ではありません。多くの新興コンサル会社が、どちらの戦略を採用するか選択せず、中途半端なままで、創業から数年後に吸収合併されていきます。

冒頭で紹介したシグマクシスは、企業当初から装置産業系での成功を目指していることが明確であり、この時点ですでに、他の新興コンサル企業と比較すると、目指している姿・ビジョンが分かりやすいと言えるでしょう。また、三菱商事とRHJ(旧リップルウッド)が資本を提供している(資本金10億円・資本準備金10億円)、ということからも、資本政策の重要性を理解した経営布陣であることがうかがえます。

数年後に、アクセンチュア、べリングポイント、IBMコンサルティング、日立コンサルティング、アビームに並ぶ、世界有数の装置系コンサルティングファームに成長するのか、どういう会社を買収・吸収していくのか、資本政策をどのように変えていくのか、今から楽しみに動向をウォッチしていきたいと思っています。

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