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意外と単純:プロジェクトマネジメントの極意

監査法人やコンサルティングファームで勤務をしてきたので、ルーチンワークの仕事はほとんどなく、常に複数のプロジェクトに参加してきました。20年間、さまざまなプロジェクトマネジャーの下でプロジェクトを経験して、自分なりに、いくつかの方法論やあるべき論を持つようになりました。

その1つが「失敗の責任は常に自分にある」という考え方です。精神論で、良い人ぶっているのではありません。プロジェクトが悲惨なことにならないために、極めて有効な思考方法です。

お客様と一緒にプロジェクトを遂行していると、お客様が作業を忘れてしまうことが多々あります。こんな時に「作業を忘れたお客様が悪い」と考えると、このお客様と一緒にプロジェクトに参加している限り、お客様の性格矯正でもしなければ、今後も似たようなトラブルを回避することができません。しかし「お客様にリマインドし忘れた自分が悪い」と考えると、次からはお客様をリマインドすれば良いだけなので、トラブルを回避することができます。

人は人を変えられません。でも、自分の行動は変えられます。ですから、失敗や非効率の原因が自分にある、と考えることができれば、常に改善策を考えることが可能になります。

もちろん、失敗の原因が自分にある、と考えた後で「だから自分は駄目なんだ」という自己卑下に走ってしまっては、改善につなげることなどできません。

だいたい、プロジェクトにしろ、人間関係にしろ、自分だけが悪いとか、相手だけが悪いということはあまりありません。多くの場合、失敗は複合的なことが原因です。ですから「自分が悪い」と考えるというのは、あくまでも頭の体操です。「自分が悪いと考えれば、改善できるし、再発が防止できる。だから、自分が悪いと考えておく方が、トータルで考えると得」という考え方です。(もちろん、時には、本当に自分だけが悪くて、謝って回らないといけないようなこともありますけどね。。。。)

プロジェクト責任者が小さな失敗の責任を他人に押しつけ続けて、問題が大きくなりすぎて取り返しが付かなくなって破綻する、というプロジェクトが少なくありません。

プロジェクト責任者や現場のリーダーが「問題の責任が自分にある」「だから改善できる」という思考パタンを身につけているプロジェクトでは、悲惨なことになる可能性が、比較的小さいと感じています。

プロジェクトマネジメントの国際規格化(ISO)をにらんで、世界各国の代表委員が討議を重ねています。プロジェクトの設計や、運用に関する考え方が中心で、プロジェクト責任者やリーダー・メンバー達の思考のフレームワークは規格化の対象外だとは思います。しかし、実際には責任者やリーダーの思考パタン・フレームワークが、プロジェクトの成功失敗の、極めて大きな要因だと思います。

国際規格では、こうした視点も踏まえた良いものができるといいなぁ、と期待しています。(このブログを日本の委員2名が読んでくれているので、ちょっとプレッシャーを与えてみました。笑)

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