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コンサル業界で空恐ろしい事態が発生しています

このブログでも何回も書いてきましたが、ここ数年間、コンサルティングファームの面接に「あまり本を読みません」「勉強習慣がありません」という人が応募してくるようになりました。

ここ数年、コンサルティングファームがコモディティ化し、知的生産を行うためのプロフェッショナルの集団ではなくなりつつある、と感じてきました。

コンサルティングファームでありながら地頭の良さは考慮せず、今までに身につけた技術や知識に重きおいて採用しているファームまでもが存在しているようです。

この記事でも「コンサルティングファームの採用のハードルが下がっている、今が入社のチャンスだ」と呼びかけています。

「採用のハードルが下がっているのは間違いない」「正直なところ、総合系などには以前だったら採用されなかったであろう人が入るようになりました。『キャリアチェンジ組』も多いですよ。若手営業マン、オープン系エンジニアなどが、総合系のコンサルティング会社からあっさり内定をもらうケースも増えています」

おそらく、これが事実なのだと思います。

ただ、もうこうなってしまうと、私がコンサルティングファームにこだわる理由は皆無です。

コンサルティングファームに長年勤務してきたのは、切磋琢磨しあえる地頭が良い人たちと一緒に仕事をする楽しさと、多様な価値観に柔軟に対応することができる人たちが作る組織に将来性を感じてきたからです。(というか、キャリア志向が皆無なので、こういう人たちがいるので、積極的に転職しようとか辞めようと思わなかった、という方が正解かもしれませんが・・・・)

高給にも、社会的ステータスにも興味がない私にとって「正直なところ、総合系などには以前だったら採用されなかったであろう人が入るようになりました。」と言われてしまうコンサルティング業界には、何の魅力も感じません。

それどころか私の元来の「非拡大志向で、安定的に高品質のサービス・製品作りができる仕組み作りを重視する」という性格を考えれば、「拡大路線のために品質追求(人材採用と育成)をおろそかにし始めたコンサルティング業界」は、積極的に忌み嫌う対象でしかありません。

元同僚達との情報交換でも、特定少数の戦略系・人材系ファーム以外からは、

  • 経営陣からの売上げプレッシャーが強く、伝統的なコンサルティングトレーニングを行う余裕がなくなった(伝統的トレーニングを徹底すると初年度はチャージでプロジェクトはいるのが労働時間の50%前後にしかなりません)
  • 伝統的なトレーニングをしようにも、従来身につけてきた行動パタン・思考パタンをゼロクリアできるだけの頭の柔らかさが無い人が大量に入社してしまい、トレーニングが成立しなくなった

という悲鳴に近い愚痴しか聞こえてきません。

こうなると「徹底してコンサルティングスキルをトレーニングする」という、昔ながらのスタイルを続ける人間は既に業界ではマイノリティなのかもしれません。

ファームとしてもトレーニングしない。コンサルタント達本人も勉強習慣がない。

これのどこが、プロフェッショナルサービスファームなのですか?

老兵は去るのみ、という言葉が頭をよぎります。(まだギリギリ30代なのに・・・・)。

本来コンサルティングファームというのは、事業会社では不可能なほど人材育成に時間をお金を投入し、短期集中で人材育成をすることで、高品質のサービスを提供するというビジネスモデルです。当然、そこに集うコンサルタント達も、肉体的・精神的にギリギリなまでに徹底して自分のビジネススキルを高めることで、事業会社では得ることができない高給を得るわけです。

クライアント企業は、この仕組みを理解しているからこそ、自社で人材育成をするコストとコンサルティングファームに支払う料金を天秤にかけて、コンサルタントを利用する、という選択をしてきたわけです。

しかし、このモデルは既に過去の遺物です。確かに、今はいくらでもコンサルティングビジネスを受注できる好況期です。しかし、この好況に浮かれて、短期的に人を増やすことで、本来のビジネスモデルから外れてはいないでしょうか?

コンサルティング業界は、市場の要望に応えるために、近視眼的になりすぎてはいないでしょうか?

これからも、高い論理力とコミュニケーション力、問題解決力は求人市場における価値を高めるでしょう。

しかし、コンサルタント経験があるからといって、こうしたコンサルティングスキルを有していない元・現役コンサルタントが続々と登場することは間違いありません。

その時、コンサルティング業界は、批判にどう対応するのでしょうか。

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