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ライフスタイルに合わせて仕事を選ぶ

仕事に合わせてライフスタイルを変えることが当たり前だった時代、単身赴任や超超過残業は当然のことでした。介護や子育てといった家族の課題だけではなく、勉強したいとか、趣味に時間を使いたいといった、ライフスタイル的に会社に絶対的な価値をおかない人たちは、滅私奉公を求めるこうした企業に勤務せず、独立したり自由業になったり、とライフスタイルに合わせて仕事を選んでいました。

しかし、近頃は、ライフスタイルに合わせて仕事を選ぶのではなく、希望する会社で希望する業務に従事しながら自分が希望するライフスタイルを貫こうと考える人が増えてきたのではないでしょうか。

私は普段、多様性をとても重視するという視点の記事をたくさん書きます。また、企業に多様性を広げるための活動もしています。ですから、こういうことを書くと驚かれるかもしません。

でも、私は、こうした「希望する会社で希望する業務に従事しながら自分が希望するライフスタイルを貫こう」という風潮を、おかしいと感じているのです。

例えば、私が勤務するコンサルティングファームでは、お客さまにお金をいただいて働く時間(チャージ)以外に勉強をすることが必須です。勉強内容は、必ずしも自分にとって興味があるものだけではなく、お客さまにとって必要なものになります。ですから「自分の興味の有無に関係なく勉強をする」ということと「時間をやりくりして勉強の習慣をつける」ということが必須要件です。定時まで勤務した後で専門学校や大学院に行ったり、週末に学校に通う人も珍しくありません。

自発的な勉強ですから、時間の融通はききます。ですから、チャージで異様なアサイメント(仕事の割り当て)をする上司にぶつからない限り、勉強時間を確保することはわりと簡単です。とはいえ、いくら時間調整が簡単とは言っても、勉強時間をビジネスタイムであると考えると、かなりの時間がビジネスタイムということになります。

私の感覚では、チャージビジネスが年平均で一日6時間程度で、ノンチャージ(自分の勉強と部下の指導)が年平均で一日6時間程度というのが、コンサルタントとしての平均的な平日の過ごし方だと思います。(つまり、一日平均12時間労働という意味です。)

これは自営業や経営者の平均的な労働時間でもあります。コンサルタントはよく「個人商店」と呼ばれますが、労働時間という観点でも、同じような感じだと思います。

一日7-8時間寝るとして、残りは4時間程度です。通勤して、食事して、家族とおしゃべりして家事をして、軽くストレッチや有酸素運動などをしていたら一日は終わってしまうと思います。つまり、コンサルタントという人生を選んだ時点で、趣味は勉強という人生を選んだ、ということだと考えています。

もちろん、そういう人生を楽しいと思う人もいれば、苦痛で仕方がない人もいるでしょう。私は勉強が人生の中心となる生活が苦痛な人が無理してコンサルタントという仕事をしても、成長するのは難しいと思っています。そういう人は、別の仕事を選べば良いのではないでしょうか。

私がしっているある治療家の方をご紹介したいと思います。

彼は、苦しんでいる患者さんのためには自分のプライベート時間が減っても当然だと考えています。実際問題、私自身も、彼の治療院が閉店日である日曜も祝日も、毎日毎日治療を続けてもらったことで、線維筋痛症の治癒を迎えることができました。

自分はスーパーマンではないから、休みの日に家族と約束をしていて、平気で寝過ごして予定をすっぽかしたりしてしまうそうです。だけど、早朝に、子供の肘がはずれたという電話がかかってきたら、眠気は覚めると言います。

ワークライフバランスを考えなさい、とアドバイスをする方もいるそうです。でも、彼にとっての「ライフ」は「治療家であること」なわけです。「治療家であること」が「ワーク」ではない以上、端から見てどう思われようと、彼の中ではワークライフバランスは取れているのだそうです。

私は、プロフェッショナルというのは、本来はこうあるべきなのではないかと感じています。プロフェッショナルといのは「プロフェッショナルであること」は「ワーク」ではなく、「ライフそのもの」と言える人たちのことを指すのではないでしょうか。

私は、自分の経歴をコンサルティングファーム勤務と呼ばずに「プロフェッショナルサービスファーム勤務」と呼びます。それは「プロフェッショナルというライフスタイルを選んだきた」という思いがあるからです。

ですから私は「コンサルタントをしながら、でも毎日2-3時間はだらだらしたい。毎日家でごろごろとテレビドラマを見たい」という多様性を許容する必要はないと思っています。こういう人は、コンサルタントという仕事を「ワークとしてだけやりたいです。ライフスタイルにする気はありません。」と考えているわけです。しかし、プロフェッショナルになりたい、ということは、ワークとライフの区別が曖昧になる、ということなのではないのでしょうか?

しかし現実問題として、「コンサルタントとして働きたいです。でも、9時-5時でお客さまからのチャージビジネスをこなす以外は全部自分の時間として自由に使いたいです。自分の時間には、自分が興味を持てることしかしたくありません。」こういう人が、たくさんいます。

私は「それだったら別の仕事に就けば?」と思います。

「9時-5時でお客さまからのチャージビジネスをこなす以外は全部自分の時間として自由に使いたいです。」ということを許容する職種はたくさんあります。何も、コンサルタントなどを希望しなければ良いと思います。

ライフスタイルと仕事(職種)が一致していなければ、会社側も迷惑ですし、周囲の批判的な視線にさらされ続けるわけですから、本人も自尊意識が劇的に低下しつづけます。ですから、メンタルヘルスという面からも望ましくないと思います。

仕事は、自分の価値観とライフスタイルにあったものを選んだほうが会社も本人も幸せだと思います。

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