« ここまで変わる | トップページ | 効率性が上がる、別の仕事を探してみる »

電車の中で新聞を読んでいるのは時間に余裕があるからかと思っていた

以前から、電車の中で新聞を読む人達を見て、不思議に感じていました。

電車の中で読むようにミニチュアライズしたタブロイド紙と違い、通常の新聞を電車の中で読むためには縦に4つ折りをする必要があります。

新聞紙面は見開き構成となっているため、4つ折りにすると、1つの記事が途中で折り曲げられることがあり、何回もページを折り曲げながら読まなければいけません。

また、真ん中あたりを手で持つため、手より下になった記事は斜めになって読みにくくなります。場合によっては記事よりも有益なことが多い広告面を読み逃す可能性もあります。

そして何よりも、見開かなければスキャニングもスキミングもすることができず、記事毎に精読(とは言いませんが少なくとも読解ではなく読書)をする必要が生じます。

そもそも全体像を見渡して、自分にとって必要な記事と興味をひかれた記事のみを読むことを前提として作成されている新聞で「スキャニングをすることができない」読み方をする、というのは大変に非効率です。

新聞を熟読などしていたら、何十時間あっても足りるはずがありません。

「聖書を読んでみようと思ったけど、あの分厚さに耐えられなかった」という意見をよくききます。聖書通読をしてみようと思いながら挫折するクリスチャンもたくさんいるほどです。

でもね、実は旧約聖書と新約聖書を合わせた総文字数は、日経新聞朝刊の平均文字数と同じなんですよ。

聖書の分厚さ、っておそらくだいたいイメージつきますよね?

こう書かれたら、新聞を精読するような読み方がいかに非効率で時間の無駄な読み方であるかはわかると思います。

また、新聞というのは何面のどのあたりには何の記事が書かれている、ということが決まっているので、全体の紙面構成が頭に入っていれば、曜日別に自分が興味がある記事がどのあたりに書かれているのかは決まっているものです。

毎日のように全体を眺めていれば、自然とこういう紙面構成が頭に入ってくるでしょうが、4つ折りにしていたら、全体像を把握するために頭の中で図形をいじくりまわさなければなりません。

こうした点でも、情報の検索性が悪く、非効率な読み方です。

私の祖父は、駅の売店に初めて書物を卸した人です。祖父は「限られた時間で最も効率的に人々が勉強をするためには」ということを真剣に考え、当時はルートの限られた書籍と雑誌を駅で買えるようにしたそうです。また、当時は宅配と駅のホームでの販売が主であった新聞も売店で取り扱うようにしたそうです。

しかしそれは、あくまでも「旅行中の人」と「たまたま寝坊して家で読めなかった人」を対象とした商品であって、毎朝の習慣として電車の中で新聞を読む人がいる、という前提ではなかったようです。

その証拠に、駅の売店で働く売り子さんに『「いつも同じ商品を買っていく人がいたら、朝の新聞配達の時に一緒に商品を届けましょうか?」と確認しなさい』と指導していました。(今これを書いていて気がついたのですが、今はやりの御用聞き商売ですね、これって。)

私も祖父と同様に、まさか視認性の悪い「4つ折りで新聞を読む」という読み方を毎日の習慣として採用している人がいる、とは思ってもいませんでした。

そのため、電車に乗って新聞を読んでいる人がたくさんいるので、不思議な感じがしていたのです。冗談でも厭味でもなく、電車でのんびりと新聞を読んでいるのだと思っていました。

しかしある日、書店で面白いタイトルの本を見つけました。「通勤電車で新聞を読む人はなぜ仕事が遅いのか」(松本幸夫)このタイトルを読んだ瞬間に「もしかして、今までに私が不思議に思いながら見てきた人たちは通勤電車で習慣的に新聞を読んでいるのだろうか?」ということに気がつきました。

ちなみにこの本のタイトルを読んだ瞬間に、私は「電車で新聞を読むことは非効率なことなのに、非効率なことを続けているということはタスクの優先順位づけをおこなうことができておらず、結果として仕事が遅い人になる」という仮説なのかと思いましが、実際には多少違いました。(新聞は自宅で読みおえているべき、という主張は同じでしたが。)

そして今日、二人の人から「朝一番で新聞を読みたいから電車の中で新聞を読んでいる」と言われ、この気づきが確信になりました。

と同時に、このことに、とてもとても驚きました。

電車の中で新聞を読むことがいかに非効率なことなのかを、数値で証明しようと考え、今日は帰りの電車の中で新聞を読んでみました。

自宅で新聞を読む場合、床に新聞を広げ、床面から1.2メートル程度上に視座を置くことで、私は約2秒間で全タイトルを理解することができます。そして、興味がある記事に付箋紙を貼るのに約5秒~10秒、ページをめくるのに約3秒、つまり見開き1ページの中から興味がある記事を見つけるて特定するのにかかるトータルは「約10~15秒」です。

電車の中で新聞を読む場合、当然のことですが一目で全体を理解することはできません(やろうとすると、周囲に迷惑をかけます。)ページをめくるのに約10秒かかります。付箋紙を張るといった工夫をすると周囲に迷惑がかかりますから、基本的には興味がある記事を見つけたらその場で読むことになります。そして、読み終わると次の記事に目をうつし、自分にとって有益かどうかを判断してから読む読まないを決める、という手順になります。

電車の中では15分で1面から5面までしか進めませんでした。一方、自宅では普段は日経新聞の朝刊を15分で読んでいます。(興味がある記事に印をつけて、キーワードをメモして、興味があるセミナーなどはURLをメモするといったことをしています。)

もちろん、私が新聞を電車の中で読むことに不慣れだ、というハンディはあります。

しかし、やはり電車の中で「スキャニング」と「スキミング」を前提とした読み物を読むのは、かなり非効率だと思います。

勉強したいけど時間がない、という意見を聞くことが多々あります。しかし、こういうことを言う人と話していると、タスクの切り分けとスケジューリングがおかしい、と感じることが多々あります。

歩きながらでも効率を落とさずにできること、通勤電車の中でも効率を落とさずにできること、オフィス、自宅、図書館、レストランやカフェ、など場所や自分の状態に応じて、最適なタスクを割り振っていけば、勉強の時間などいくらでも作り出せます。

歩いているときは、耳があいています。英語の勉強もできるでしょうし、話し方が上手なスピーカーの音声を聞いて、リピーティングをすることでスピーチの練習をすることもできるでしょう。

どうしても電車の中でないと新聞を読む時間がない、というのであれば、せめて自宅で興味がある記事に印をつける、というステップまでを完了させておいて、読むという作業だけを電車の中で行えば、今までの数倍のスピードで情報を読み取ることができるようになるはずです。

紙面をひろげて情報をスキャニングする、ということを繰り返すことで、読むスピードもあがり、情報を検索する力を伸ばすことができます。これは、新聞を4つ折りにしていたら、絶対に身につけられない、しかしとても役に立つスキルです。

もっと効率的に、システマティックに勉強をしてみてはいかがでしょうか?(勉強したいのに時間がない、と考えているのであれば、ですが。勉強しなきゃいけないけど、したくない、というのはまた別問題なので。。。。)

« ここまで変わる | トップページ | 効率性が上がる、別の仕事を探してみる »

反面教師から学ぼう」カテゴリの記事