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喫煙と職場・社会の多様性

先日、「タクシーの運転手さんは化学工場並みの危険労働?」という記事をお書きしました。みなさん、コメントありがとうございます。

喫煙環境=常識的な妊産婦と気管支が弱い人は参加できない場所、ですので、私としては喫煙問題は「多様性」の問題そのものだと思っています。

某社の応接フロアはエレベーターホールについたとたんにたばこ臭いです。これは、少なくともこの会社は訪問者に妊産婦がいない、という前提でビジネスをしているということを意味します。

また、応対する自社の社員にも妊産婦や障害者はいない、という前提であることを意味します。

私はこの現実をとてもとても悲しく思っています。この応接室には毎週行くのですが、行くたびに「なんとかしていきたい」と思わされます。

また、このフロアに立ち寄るたびに、なさけない思いをする社員が一体何人いるのだろう、と思うと、その思いを推測することもできない会社側の多様性に対する意識に低さに悲しくなります。

先日クリスチャンの会合にいらっしゃったノンクリスチャンの方が「当然の権利」という態度でタバコを取り出して喫煙を始めました。これを見て、私は「この人は、妊産婦や障害者が当たり前にいるという環境で育ってこなかったんだろうなあ。」と感じまいた。

信仰ということは抜きにして、教会で生活していると、病気を持っているのが当たり前、障害があるのが当たり前、という考え方が身につくというメリットがあります。あらゆる行動の前提として「誰も排除してしまっていないか」という考えがあります。今から30年前も、修養会と呼ばれる旅行の宿泊先を決める時に、当たり前のこととして「車椅子の人が温泉に入れるか」を確認していました。貧乏なキリスト教会が、貧乏にもかかわらず軽井沢や山梨に宿泊施設を購入せざるをえなかった背景には、当時の日本社会が「障害者は旅行に来るな」という態度があったことを否定できません。そして、おそらくこれは、キリスト教会だけではなく、他の宗教団体も同じだったと思います。

私は、自分自身や母親が軽度の障害者であるということもありますが、それだけでなく、物心ついた時から教会で、さまざまな健康・心身状態の人に囲まれて育ったことが、多様性を当たり前のこととして受け止める下地になったと思います。

しかし、多くの日本人、特に男性の健常者しかいないという日本企業に長年勤務してきて、弱い者は不要な者という価値観を植え付けられてきた方々にとっては、タバコが多様性を阻害する、ということは教えられなければ自発的には気がつくことができないことだと思います。

ですから、この男性にしてもこの人が悪いというのではなく「そういう社会で育ってきた」という仕組みの問題だったのだと思います。

skthrさんが、子供を安心して連れて行けるレストランが少ない、というコメントをしてくださいました。私も、本当にそう思います。禁煙スタイルなど、素晴らしいサイトがあるにはあります。でも、カバーしてるのは大都市圏だけ、それに登録数が少ないです。

近頃、遊んでいる子供を見かけないとか、アレルギーの子供が多いとか、大人たちは勝手なことばかりを言います。しかし、子供を排除する社会構造にしてきたのは誰でしょうか?

街の中に子供がいる、妊婦がいるのが当り前の社会になっているでしょうか?

あなたがしている行動の中に、子供や妊産婦や障害者を邪魔者扱いするという態度が、知らず知らずに含まれてしまっていないでしょうか?

禁煙・分煙の話は、どうしても対立的になりがちですよね。でも、対立的に話していて何か前進するということはあり得えないと思います。

好き嫌いという対立軸ではなくて、どんな人でも安心して暮らせる社会にするためには、どうすべきか、という視点で話し合っていけるといいですよね。

たとえば、歩きたばこをしている喫煙者の方であっても、妊産婦が安心して歩ける街にしていきたくないですか、とおうかがいすれば、NOという方は少ないのではないでしょうか。

子供が急に飛び出してきて手に持っている煙草にぶつかったらどうしますか?とお伺いして、「急に飛び出してくる子供が悪い」と答える子持ちの方はほとんどいないのではないでしょうか?

子供はエネルギーに満ちていて、予測不能の行動をとるからこそ子供です。連れている親にしても、車や自転車には気をつけることができますが、すぐ真横をあるいている歩行者の手元をよけながら子供を連れていくことがどれほど難しいか、子供と一緒に行動をしたことがある方なら、お分かりですよね?

その上で、路上喫煙の是非を考えていただければ、もうすこし対立的ではない話し合いができるように思えます。

まずは日本を代表する某社に「妊産婦がいない」という前提のフロアがあるという現状をなんとかしていきたいですね。とりあえず、この会社の社会貢献担当部門にメールしてみました。返事があるか、状況が改善したら、また記事にしたいと思います。

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