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セキュリティを確保するために労働者の権利を侵害してよいのか

私は普段、リスクマネジメントという分野のコンサルティングをしています。

情報セキュリティに関するコンサルティングをしているときに、いつも疑問に感じていることがあります。それが、タイトルにある「セキュリティを確保するために労働者の権利を侵害してよいのか」という点です。

例えば、私が労働組合の役員をしていた時分は、携帯電話やポケベルを持っている人は「緊急時に呼び出しに応じる」ということと「携帯電話やポケベルに対する安全管理義務を負う」という2点を理由に、いくばくかの手当てが支給されていました。当時、他社や他ユニオンとの情報交換をした記憶では、1日あたり500円月額15000円程度でした。

近頃は、携帯やポケベルといった軽量のものだけではなくノートパソコンを持ち帰ったり、普段から持ち歩いている人がたくさんいます。

例えば私が知っている多くの企業が「パソコンを持っているときは呑みに行ってはいけない」というように、就業時間以外であっても安全管理義務を負わせています。

でも、本当はこうした罰則規程は、労働者の行為に甘えているだけで、労働者側には遵守する義務も責任もありません。労働はあくまでも給与の対価です。何も手当てが支払われていないのであれば、こうした安全管理義務を負う必要はないのです。

労働基準法では出張の際の移動時間を業務とみなしません。しかし、安全管理義務を負う物品を搬送している際は労働時間とみなします。つまり、日本の労働基本法の考え方に則ると、安全管理義務を負う時間は労働時間なのです。

これは私の個人的な見解だけではありません。私が役員をしていた労働組合が顧問弁護士に確認した結果も同意見で、結果としてパソコンを持ち歩いている人には特別手当を支払うこととなりました。

移動中に安全管理義務を負わせるのであれば、移動時間は労働時間です。労働の対価を支払うべきです。

ITの発達によって、いつでもどこでも仕事ができるようになりました。そのため、セキュリティの重要性はますます増加しています。ですから、セキュリティビジネスはこれからもますます大きくなっていくことでしょう。

しかし、世間にあふれる多くのコンサルタント達には、今一度考えていただきたいと思います。

あなたが提案している管理策は、労働基準法を遵守していますか、と。

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