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何故働くのか

人にはそれぞれ、働く理由があると思います。家庭で働く、会社で働く、フリーランスで働くなど、働き方にもいろいろあります。

私は、大学在学時代から一貫してベンチャーカンパニーで働いてきました。収入という面から考えれば外資系金融に行った方がはるかに高額の収入を得られます。ポジションという面から考えれば、執行役員や取締役としてのお誘いもありました。ネームバリューという面から考えればベンチャーにいるはずもありません。気楽さという点でも、やりたいことを実現できるという点でも、フリーランスになるほうが間違いなく快適です。フリーになっても、今の収入と同じだけを稼げる自信もあります。

しかし、現時点では、これからも組織の中で働き続けたいと考えています。それは、私が「未来からの留学生」だからです。未来のあるべき日本の姿を想定し、それに向かっていくために、未来から現代に留学してきた学生として、藤沢市遠藤というド田舎から送り出されたからです。

未来のあるべき姿を描き出し、起業という道を選んだ友人もいます。大企業や、官公庁を内側から変えるという道を選んだ友人もいます。アーティストとして、世に向けて歌い続けている友人もいれば、スポーツ選手として夢を持つ大切さをプレーに込めている友人もいます。

私は、既存の枠組みとは違う組織となる可能性がある創業期の組織を選び、その組織が必要としているスキルを提供する、という道を選びました。ずっとコンサル業界にいますが、実はコンサルティングにはこだわりも興味もありません。「経営陣とそこに集まっているメンバーの思考の柔軟さ」を重視した結果、ずっとコンサル業界にいることになった、というだけです。それは、思考の柔軟さが欠けていては、既存のビジネスの在り方に引きづられ、新しい労働の在り方を考え、実現し、世界に向けてメッセージを発信することは出来ないと考えたからです。

繰り返しになりますが、私はコンサルタントとしてのキャリアには興味がありません。コンサルタントとして出世することも、世間に名前が知られることも興味がありません。私が働く原動力は、私が所属する組織が世間に対して新しい働き方の枠組みや組織の枠組みを発信できるかどうか、というただ1点です。

現在の勤務先に入ることにしたのは、当時のCTOが飲みながら「優秀なコンサルタントは家庭人としても優秀でなければいけない、絶対だ」と言っていたからです。こういう発想をすることができる人とであれば、面白い組織が作れるのではないかと考えました。

未来の働き方、それがどういうものであるか、まだハッキリとした姿が見えているわけでは有りません。日々、走りながら考えています。しかし、それでも「向かってはいけない方向」であるかどうかの区別はつきます。また、「向かってはいけない方向しか選択することができない組織」とそうでない組織の区別もつきます。(組織は生き物なので、日々この方向も変わりはしますが・・・・)

ベンチャー企業のビジネスが拡大する方向には2種類あります。1つ目が、いつか大きくなって、既存の大企業と同じようになりたい、という方向。2つ目が、大きさよりも、ビジネスのフレームワークや組織のフレームワークで独自性を発揮していきたい、という方向。私が支援していきたいと考えているのは、この2つ目の方向を選んだベンチャー企業です。

1つめの方向を選んだ組織が、いくら高額を提示しても、どれほど高いポジションを提示しても、私は働きません。私にとっては、働く意味がないからです。今ある社会制度や枠組みの延長として組織をとらえ、ゆくゆくは既存の大企業と同じようになりたい、と考える経営方針の下で、私が働き続ける、という選択肢は、ありえないのです。しかし、2つ目の方向に沿ったビジョンを実現できる仕事であれば、無報酬でも喜んで働きます。(だから、CSR関連の仕事は安価または無報酬でやっています。)

もしかしたら、家族の都合とか、健康上の理由など、いろいろなことでこの前提を放棄せざるをえなくなるかもしれません。しかし、少なくとも今は、家族も友人も、こういう姿勢を見守ってくれています。だから、もうしばらく、わがままを貫かせてもらいたいと思っています。

加藤寛先生、高橋潤二郎先生、関口一郎先生 孫福さん、今、私がやっていることを見たとして「よくやっている」と言ってくれますか?それとも「金のために働いてるのか?」と叱責しますか?近頃、よく考えています。

SFCに対して、世間はいろいろと評価しています。私にとってのSFCは「未来を創る大学―慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)挑戦の軌跡」に書いてあるとおりの場所です。よろしければ、ご一読下さい。

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