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外見とパワー

人間見た目じゃないよ、という意見も聞きますが、ビジネスの場に限って言えば、私はこの意見には大反対です。人は、自分が見られたいと思うイメージに外見をコントロールすることで、自分を変えることも、他人の評価を変えることもできると実感しているからです。

例えば、専門家として威圧感を与えて意見を聞いていただくタイプなのか、親しみを与えるのかといったビジネス上で見られたいキャラクターでいくのか、は自分が決めることであって、お客さまや上司が決めることではないと思います。

私が所属するグループには、親しみをもたれるタイプのコンサルタントと、ぱっと見は無口でとっつきにくそうなコンサルタントがいます。この二名、見た目ほど中身や考え方がそれほど異なるというわけではないのですが、お客さまがお持ちの印象は全く異なります。

もしも、親しみキャラのコンサルタントがぶっきらぼうな口調で話したら、お客さまは驚いて「具合が悪いのか、よほどストレスが溜まっているのか」と思うでしょうが、一方のキャラのコンサルタントが多少ぶっきらぼうでも「彼は朴訥だけど、専門知識が豊富だから」という評価になります。

どちらが正しいというのではなく、一貫したイメージをお客さまに提示し続けられるかどうかだと考えています。

一番悪いのは、イメージの軸がぶれていても、その日の機嫌や気分で印象がコロコロと変わるタイプです。

実は、私が知る限り、女性の方がこうした問題を抱える専門職がとっても多いです。服装や化粧、髪型など、女性の方が印象を大きく変えることができます。プライベートであれば、さまざまな顔を持つ女性は魅力的なのかもしれませんし、自分のいろいろな面を表現したい、という気持ちが分からないわけではありません。でも、ブランディングという観点からは、これは大失敗です。

ビジネス上の付き合いは、どうしても表面的になりがちです。相手の考え方の軸や信条を知る機会は少ないため、互いに推察しながら関係性を構築します。その中で複数の脈絡のない軸を提示しつづけるのは、相手に対して、とても不親切ではないでしょうか?

例えば、経営戦略コンサルタントがお客さまのオフィスに一ヶ月まるまる常駐するとします。そうすると、最低でも200万円は請求します。お客さまは200万円分の知識と経験を購入するわけです。

しかし、この200万円の知識と経験をお客さまに伝えるためのパッケージ(外見)が、ボロボロで、どう見ても数十万円の価値しかなさそうに見えたとします。すると、お客さまは、パッケージの中身に手を出す前に「大したことがないコンサルタントを送ってきた、ふざけた会社だ」と見ます。

100万円の品物は100万円の品物を包むにふさわしいパッケージに入れて送った方が、相手が受け取りやすくなります。ビジネスに関して言えば、パッケージが悪いから中身を手にとっていただけないとすると、それはパッケージのメンテナンスをしていない側の責任であって、お客さま側の責任ではないと考えています。

外見がいかに影響するのか、またいかに簡単にコントロールできるものなのか、もし興味をお持ちでしたら是非「外見とパワー」という本をご一読下さい。私のようなトレッキー(スタートレックマニア)でなくとも、十分楽しめる本だと思います。

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