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2005年6月

プロフェッショナルコンパニオン@愛知万博

愛知万博に行ってきました!すっごく面白かったです。

さて、こんなブログを開くくらいなので、私は身振り手振りや話し方等にとってもセンシティブです。

「日本では話し方って習わないんですけど、アメリカだと習うんですか?」「以前働いていた会社では、こういう訓練もあったんですか?」などと聞かれます。

どちらの質問の答えもYESです。が、アメリカ人としても、前職の同僚と比較しても、訓練を受けている時間数はかなり多いほうだと思います。というのも、私が身振り手振りや表情、話し方の訓練をしたのは、ぜんぜん別の場所なんですよね。

私はティーネイジャーからかなり長い期間、博覧会や展示場でナレーターをしていました。大阪で開催された花博や、幕張のモーターショー、大使館主催のビジネスショー、米軍のオープンキャンプイベントなど、大規模イベントを選んで出ていました。横浜や湘南エリアの地方FMでナレーションをしていたこともあります。(また、こちらは現在進行形ですが、キリスト教関連の大規模イベントにもよく出ています。)

愛知万博が15年前にあったら、間違いなくコンパニオンやってただろーなー、と思いながらパビリオンを回りました。

360度四方からお客様に囲まれ企業の代表として語る、それがナレーターです。ただ見られるだけのコンパニオンは見た目の美しさ重視なのですが、ナレーターは大手企業になればなるほど知性と教養を感じられる語り口と身振りを要求します。この要求に応えられれば次のお仕事も来ますし、時給も上がります。

ちなみに、一般論ですが、バイリンガル・トリリンガルの場合は、外国語が話せないナレーター・コンパニオンよりも容姿基準が甘いです。愛知万博には、中国語か韓国語+英語+日本語のトリリンガルがたくさんいました。が、純粋日本語だけのコンパニオンよりはかなり容姿基準が甘いようでした。(私自身も、英語が話せなかったら花博クラスの大規模イベントで企業パビリオンのナレーターができる容姿じゃありません。)

ナレーターって言っても、アナウンサーとかと違って決められたトーク(最大でも16分)を丸暗記して、決められたポーズとアクションにあわせて話すだけだから簡単だろう、と思われるかもしれません。しかし、(私の場合は、ですが)1000人を前にセミナー講師をするよりも綿密な練習が必要です。

それは、セミナー講師で重視されるのは「一応は」話の中身だからです。でも、コンパニオン(やナレーター)は表情や身振りが完璧であって当然、と見られます。そして、プロである以上はトークが完璧であることも求められます。

それに、セミナー講師はちょっと後ろを向いた瞬間に疲れた表情をしたりもできますが、コンパニオンには逃げ場がないんです。一瞬の隙にカメラが向けられていたら、お客様企業の大きなイメージダウンです。

はじめは30秒のご案内トークがやっとでした。30秒間、完璧なトークと表情、そして決められた動作を美しくこなすために、丸1週間練習しました。次にいただいたお仕事が3分弱のトーク。これも1週間練習しました。そして、私がいただいたお仕事の中で最長が日本語8分+英語8分の16分。この16分間を完璧で過ごすために、私は1ヶ月間、毎日4時間以上鏡とビデオの前で練習しました。

かわいいユニフォームを着て、ただニッコリ笑っているだけに見えるかもしれませんが、舞台裏ではすっごい努力をしているんです。

愛知万博で一番「この人いいなあ!」と思ったのがJR東海のリニアモーターカーのプレゼンテーターの女性です。多少舌ったらずになることもありましたけれど、表情と指先の動きがトークに綺麗にリンクしてました。

また、ソニーのL×R画面の横にいる中国人コンパニオンもすごいなあ、と思いました。会場が暗くなり、大画面にきらびやかな映像が映り始めるその瞬間のことでした。真っ暗でかなり集中して彼女に注目していなければそこに女性がいることすら分からない、という状況です。でも、暗闇の中で彼女がしっかりと会場に向かって微笑んで、それからお辞儀をしました。そして、体を起こすとゆっくりと腕を軽く上げて画面を紹介し、再度会場に向かって軽く会釈をして退場しました。おそらく私以外の誰も彼女に注目していなかったと思います。

ビジネスショーや万博に行ったら、是非、コンパニオンの体の動きに注目してください。お客様の視線が向かっていないときでも、常に「見られている」という前提で動いているということがどういうことなのか、わかると思います。

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自国人らしい顔

大阪樟蔭女子大学の村澤教授が、日本と韓国と中国の男子学生の顔写真を3カ国の学生に見せ「自国人らしさか」を確認する(日本なら日本人らしい人、韓国なら韓国人らしい人、中国なら中国人らしい人を選ぶ)いう実験を行った。

3カ国の学生の顔写真が同数入っているにもかかわらず、日本人学生だけが日本人らしさを区別できなかった。韓国人学生と中国人学生はそれぞれ自国人らしさを明確にでき「一番自国人らしい人を選んでください」という質問に対しては、自国人の写真を選んだ。しかし、多くの日本人学生が、「一番自国人らしい人を選んでください」という質問に対して中国人または韓国人の写真を選んだ。

これは2002年の実験結果である。同教授が女子学生を対象とした1990年代の実験でも、同様の結果であった。男女による差異はない。

マスコミが流す一般論では「日本は単一民族で他民族と接する機会が少ないから、外国人の顔を見分けられない」などとされていますが、中国・台湾・韓国と比較すれば、明らかに日本が一番外国人と接する機会が多いです。つまり、外国人と接する機会云々という以前の何かが問題なわけです。

実験結果に対して、同教授は「民族や門地の違いをイコール差別につながると考えてきた歴史があり、出身地や民族別違いを意識して人の顔を見るという経験が乏しい」と同時に「人の顔を見て話をするということ自身が失礼にあたるという文化背景があり、人の顔の微細な違いを認識する能力が低い」からではないかとのコメントしている。

私は、日本人の微細な違いを認識する能力の低さは、国際問題にもつながる大きな課題だと感じている。例えば、多くの韓国人が要求している靖国からの遺骨引き上げ問題にしても、日本仏教と韓国仏教では分骨を認めるか認めないか、といった一見微細に思われる問題が背景にある。日本のマスコミも、そして、当然多くの日本民族人も、この違いを「微細で瑣末なこと」と考えているらしく、報道されることはほとんどない。しかし、瑣末に思われることが引き起こしている問題は、とても大きい。

まずは自分の顔をじっくりと観察する。そして、自分の親しい人たちの顔を見ないでも思い出せるように訓練する。自分と周囲に対して興味を持ち、記憶をすることで、結果的にはもっともっと大きなことにもつながっていくと思います。

サッカーの国際試合で熱狂するなら、日本選手と北朝鮮選手の顔くらい見分けがついて欲しいなあと思います。

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外見とパワー

人間見た目じゃないよ、という意見も聞きますが、ビジネスの場に限って言えば、私はこの意見には大反対です。人は、自分が見られたいと思うイメージに外見をコントロールすることで、自分を変えることも、他人の評価を変えることもできると実感しているからです。

例えば、専門家として威圧感を与えて意見を聞いていただくタイプなのか、親しみを与えるのかといったビジネス上で見られたいキャラクターでいくのか、は自分が決めることであって、お客さまや上司が決めることではないと思います。

私が所属するグループには、親しみをもたれるタイプのコンサルタントと、ぱっと見は無口でとっつきにくそうなコンサルタントがいます。この二名、見た目ほど中身や考え方がそれほど異なるというわけではないのですが、お客さまがお持ちの印象は全く異なります。

もしも、親しみキャラのコンサルタントがぶっきらぼうな口調で話したら、お客さまは驚いて「具合が悪いのか、よほどストレスが溜まっているのか」と思うでしょうが、一方のキャラのコンサルタントが多少ぶっきらぼうでも「彼は朴訥だけど、専門知識が豊富だから」という評価になります。

どちらが正しいというのではなく、一貫したイメージをお客さまに提示し続けられるかどうかだと考えています。

一番悪いのは、イメージの軸がぶれていても、その日の機嫌や気分で印象がコロコロと変わるタイプです。

実は、私が知る限り、女性の方がこうした問題を抱える専門職がとっても多いです。服装や化粧、髪型など、女性の方が印象を大きく変えることができます。プライベートであれば、さまざまな顔を持つ女性は魅力的なのかもしれませんし、自分のいろいろな面を表現したい、という気持ちが分からないわけではありません。でも、ブランディングという観点からは、これは大失敗です。

ビジネス上の付き合いは、どうしても表面的になりがちです。相手の考え方の軸や信条を知る機会は少ないため、互いに推察しながら関係性を構築します。その中で複数の脈絡のない軸を提示しつづけるのは、相手に対して、とても不親切ではないでしょうか?

例えば、経営戦略コンサルタントがお客さまのオフィスに一ヶ月まるまる常駐するとします。そうすると、最低でも200万円は請求します。お客さまは200万円分の知識と経験を購入するわけです。

しかし、この200万円の知識と経験をお客さまに伝えるためのパッケージ(外見)が、ボロボロで、どう見ても数十万円の価値しかなさそうに見えたとします。すると、お客さまは、パッケージの中身に手を出す前に「大したことがないコンサルタントを送ってきた、ふざけた会社だ」と見ます。

100万円の品物は100万円の品物を包むにふさわしいパッケージに入れて送った方が、相手が受け取りやすくなります。ビジネスに関して言えば、パッケージが悪いから中身を手にとっていただけないとすると、それはパッケージのメンテナンスをしていない側の責任であって、お客さま側の責任ではないと考えています。

外見がいかに影響するのか、またいかに簡単にコントロールできるものなのか、もし興味をお持ちでしたら是非「外見とパワー」という本をご一読下さい。私のようなトレッキー(スタートレックマニア)でなくとも、十分楽しめる本だと思います。

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信頼感を強める化学物質

昨日から、人に対する信頼感を高める化学物質が特定された、報道されています。

その化学物質とはオキシトシンといって、今までは女性の授乳や出産を円滑に進める作用があるホルモンだといわれていました。一昨年、どうやらこのホルモンが出ると記憶力が高まるらしい、という実験結果も発表されています。今回の発表では、このホルモンが分泌されると、周囲にいる人間がその人に対する信頼感を強く持つとされています。

授乳時に母親から放出されるこのホルモンが周囲の人間を引き付け信頼させる働きがある、というのは赤ん坊が母親を無条件で信用して依存する過程を考えるととても自然なことです。

ビジネスをする上で、人から信頼されることはとても大切です。そのために、知識や経験だけではなく、身振りや服装・化粧といった非言語分野も気を使っているわけです。

今までは「顎を上げて人の顔をみると尊大に見える」ということを感覚的には同意できても、ではどうして尊大に見えるのか、ということは良くわかっていませんでした。腕を組む、横目で盗み見をする、猫背etc このブログでも書いてきた、こうした緒行為がなぜとても人に不信感を抱かせるのかは「経験値」によるもので、明確な根拠を挙げることは難しいと言わざるをえませんでした。

研究概要を斜め読みしてみると、乳幼児を抱きかかえて授乳した場合と、搾乳してから哺乳瓶でミルクを与えた場合では、直接授乳した場合の方がこのホルモンの分泌が促進されているようです。

あくまでも推測でしかありませんが、人の体はつながっていますから、顎の位置や背中の角度といった大きな身体の動きによって、このホルモンの分泌量は微妙に変わっているのではないでしょうか?もしそうだとすると、特定のポーズをとった時には人の信頼感を促進するホルモンの分泌が増進したり停止して、周囲の人が信頼感を高めたり不信感を増すという可能性があります。

イメージコンサルティングやボディランゲージは組織心理学や社会心理学の中でも色物扱いをされてきました(10年以上前に、私の修士論文は、良く通ったものだと思います)。

しかし、これからは生体学や生体情報論との共同研究によって、少しずつこの根拠が明らかになっていくことでしょう。私も研究動向に注目したいと思ってます。

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